オタク人生の集大成「ギヴン 」
映画「ギヴン 」を見てきたよ。
公開日に一度見に行って、入場者プレゼントが変わったので二回目を見てきました。
いろいろ冷静になって考えてるうちにこのブログの存在を思い出したので、少し書いてみようと思います。ネタバレ注意。
さて、コロなんとかちゃんのせいで、何度か延期してしまい、ようやく待ちに待った劇場版が公開されました。
正直2019年で一番ハマったアニメであるということもあり、かなり期待値は高かったです。
ちなみに原作履修済、ドラマCD未履修です。
ドラマCDの方が実は好きなキャストが多かったりするのですが…エッチシーン無しのBLCDを買わないという理由(バカ)(最低)(ゴミ)(脳みそ生殖器)から購入していません。
斉藤さんのBLCDはそこそこ集めていたのですが…今となっては逆に未履修で良かったのかな?とも思います。
というのも、ドラマCDのイメージが強すぎて、アニメのキャストを受け入れられないことがあったらかなりショックを受けそうなので…
特に、このように同じタイトルの楽曲が二曲になってしまうと、私のような面倒くさいオタクはかなり複雑な心境になってしまいそうで怖いです。
というわけで、ドラマCDは今のところ履修する予定はありません。
前置きはこのくらいにして、本題に入っていきたいと思います。
それではまず、お気に入りのシーンから。
なんといっても、秋彦の「お前に言ってもどうにもならない」ですが…
いや、これ以上ないだろ、という声でした。本当に梶さんって生きてるんだなと…改めて感じました。
なんかこう、秋彦に関しては感情が乗っていないようで乗っているような言葉が多いなと思うんですが、その中でもこのセリフって本当に精神状態な極限すぎてポロっと心の声が漏れてしまった、みたいなセリフだと思うんですよね。
その後の春樹さんとの関係の変化や、話の展開に直接繋がっていくということもあって、この話の中で一番大事なセリフだと思うんです。
そんな秋彦のセリフが、こんな、最高の温度で私達に直接伝わってくる…ということに感動を覚えました。
本当に、このセリフを聞くために映画館に行ったのかな、と思うくらい、理想的な演技だったと思います。
そしてもう一つ、立夏の「大丈夫、お前が一番かっこいいよ」です。
上ノ山立夏くんが付き合いたい二次元男性第2位なのですが…(1位は伊月俊くんです)
これは、真冬と立夏の関係がぐっと縮まったことを象徴するようなセリフだと思っていて、大人組メインのこの話の中でも、より重要なシーンではないかな、と。
まぁ、その中で高校生組のシーンごっそりカットはショックだったな〜〜マジで。
いやほんとに私は夏休みの補習のシーンが世界で一番好きなんだよ〜(原作4巻をご覧ください)
マジでこれを楽しみに行ってたからさぁ…あれ?もしかして補習なくない?wowwow……お泊まりなくない!?wowwow……花火なくない!?wowwow……と某コールが永遠に頭の中で響いていました。
何が悲しいってさ、もう原作3巻後半〜5巻のエピソードは劇場版で消化しましたよってなるわけじゃんもう。
この先もしアニメ二期とか映画やるってなっても絶対この続きから映像化されるわけじゃん。え?何?私はこの二人の神シーンの数々を一生映像で見られないってことですか?いい加減にして…
いや、もちろん大人組がメインなのはわかってる。尺が足りないのもわかってる。大人組でカットされたシーンがたくさんあったのもわかってる。全てわかっていますよ。でもさ……
夏休みの補習くらいはあってもよくない!?あと童貞のセミの話も聞きたかったよ!?上ノ山立夏くんにも性欲があるという事実はこの世界で最も重要なことなんですよ!?絶対におかしい。こんなのは絶対におかしいんですよ…
EDの一枚絵で消化した気にならないでほしい。私は全部、「あ!由紀ん家と同じ時計!」「サッカー部暑すぎて倒れたやつ!」とか「柊が着せてくれた浴衣!」とか気付いてますけど、あんなんいきなり見せられても「ほーん、こいつらも祭り行ってたんや」くらいですよ。かなしすぎる。
あれはおまけ4コマとかではなく、れっきとした本編のエピソードなんですよ、ということを強く伝えたい。みなさん、原作を読んでください。
というか、もう映画の感想というか上ノ山立夏という人間の話になるんですけど(桜庭薫という人間の話になるんですけど?)
彼って、一見クール属性っぽく見えるんですけど、実は結構情熱的というか、意外と思いつきで行動したり、自分と似てるタイプとめちゃくちゃぶつかったり、頭に血が上りやすい…というとまた違うと思うんですが、結構男らしいタイプだと思うんですよ。
滾るパワーをコントロールしきれないというか、自分でも自分の欲求があまり理解しきれていないというか、不器用というか言葉足らずというか。
そんなところが彼の人間臭さであって。音楽面では天才でありながらも、普通の男子高校生らしさを持ち合わせているのがすごく魅力的なところだと思うんです。
真冬がかなり変わった子だから、より立夏の"普通の人"感が、我々読者に安心感を与えているんじゃないかな、って。
というわけで、夏休みの補習のシーンは、そういう立夏の男子高校生らしさが強く出ていて、大人組のいざこざとは対照的な「高校生カップルのいざこざ」が描かれている、大好きなシーンなんですよね。
真冬と立夏の小さなすれちがい、それに対する真冬の行動、そこから自分の馬鹿さに気づく立夏の可愛らしさ…
付き合いたての頃に比べて、少しずつステップアップしていく彼らの関係性が、とても丁寧に描かれてるシーンだと思います。
しかしこれらのシーンを省いてしまうと…立夏はかなり大人な男になってしまう………
真冬が楽曲作りで息詰まっているところをそれとなくサポートする、できる男になってしまう………
いや勿論、彼はできる男です。実際真冬が立夏の助言によって曲作りが進むのは事実ですから。
でも立夏が真冬をああやって支えられたのは、真冬が正面から立夏に向き合ってくれたからであって、お互いの支えがあってこそなんですよね。
だから、私はこれらのエピソードを知っているからこそ、あの「大丈夫。お前が一番かっこいいよ。」に「これこれこれこれ!!!!!!」となったわけで、いきなりあの縮まった距離感を見せつけられた人たちはどうだったんだろう?と思いました。
でももし、アニメを見て立夏好きだな〜と思った人はぜひ原作を読んでみてほしいです。彼はもっと高みに行けます(?)
ここまでちょっと愚痴っぽくなってしまったので、逆にアニメで印象が良い意味で変わった人物、雨月について書きます。
正直言うと、村田雨月という存在にそれほど興味がなかったんです。
なんかよくわからなかったんです。彼のことが。
彼は天才で、秋彦の方がどちらかというと音楽の才能では、雨月に劣っているはずです。
そんな秋彦が、雨月に対する音楽面でのコンプレックスと、雨月という人間への愛情の間で苦しむ、という構図はすごく分かりやすいと思うんです。
でも、雨月が秋彦と音楽の間で揺れ動いていたのが何故なのか分からなかった。今でもあまり腑に落ちていない部分ではあります。
ひとつ考えられる理由としては、雨月の音楽にはないものが、秋彦の音楽にあるんでしょう。それが繊細さなのか、秋彦の持つ苦しさや切なさのようなものなのかは分かりません。春樹さんの言う「泥臭い情熱のようなもの」なのかもしれません。
マグカップを割ってしまった理由も、実はあまりわかっていません。なんか「いかにも恋人らしい」ような行動がムカついたのかな〜としか。
秋彦の苦しみは、春樹さんによって癒されました。それが良いことが悪いことかは分かりません。まぁ、春樹さんにとっては自分の望む形になったのではないかと思います。
でも雨月の苦しみは、誰が癒してくれると言うのでしょうか。
夜が明けた先に春樹さんという光が待っている秋彦と違って、夜が明けても、雨月を待っている人は誰もいません。夜が明けても、雨月の日当たりの悪い部屋には、朝の光は差し込んできません。
悲しい、悲しすぎる。
雨月の涙は誰も拭えないかよ………
え、俺が守るしかないのか?
ライブの後、雨月の泣きじゃくる顔を見ながら、私も号泣していました。雨月を守りたいと思いました。
なんか明確に言葉にするのが難しいんですが、雨月は動いていた方が可愛らしかったなと思います。守りたさが強かったです。
そう思うと、春樹さんって結構たくましそうだな。やっぱ雨月は負けヒロイン感あるもん。真冬もなんやかんやたくましそうだし。
そしてなんといっても、ライブシーンですが。
本当に素晴らしかったです。「夜が明ける」、2020年間違いなく最高の曲。
真冬が「「冬のはなし」は失恋の歌だったから次はもっと違う曲が作りたい」と言っていたこともあって、もっと上ノ山寄り(?)の歌になるのかな、と勝手に思っていたのですが(新曲の中では「へたくそ」がまさにそれでした)
「夜が明ける」は、失恋から立ち上がれる人、立ち上がらないまま生きていく人、そのどちらも受け入れていく姿が見えました。
これも失恋の歌だなと個人的には思ってしまうのですが、その捉え方はかなり変わっていて、真冬が立夏と着実に前に進んでいるんだな、と思いました。
季節が巡って、由紀といた冬がまたやってきたときに、立夏と真冬はどう変わっていくのだろうか、と今後の展開が本当に楽しみです。
真冬の歌声はほんと、魔法みたいだな〜
なんかもう何の涙かわからない涙が溢れて止まらなくて、嗚咽系(?)の泣き方をしてしまって、映画館の音がでかくて助かりました。本当にえげつない泣き方した。多分みんなそうだと思います。
そしてこのライブシーンで同時に色々なことを思い出しました。
黒●スにハマり、ハ●イキュー!!にハマり、まんまと少年漫画BLに目覚めさせられた中学生の私。
その中から自カプを検索して、ぐさり先生(作者様の別名義)に出会った中学生の私。アニメイトでいくつも同人誌を購入してはこっそり家族に隠れて読んでいた中学生の私。腐女子兼声豚として立派に成長し、内田●馬さんにハマった高校生の私。そのままア●ドルマスターSi●eMにハマって矢野●吾さんに出会った私。ライブに足を運んで彼ら二人の歌声で涙を流していた私。
そんな私のオタク人生全てが詰まった映画が、この「ギヴン 」なのではないか…?と。
この映画、人生の集大成だ……
そう気付いてからはもう走馬灯のようにさまざまなオタク思い出が駆け巡ってきます。
彼らの人生を見にきたのに私の人生を思い出す羽目になってる。生まれてきてよかった…世界ありがとう…
もう最後は感謝の気持ちでいっぱいでした。
夜は明けた。
これは同時にオタクの夜明けでもあります。
オタクの人生はまだまだ続いていきます。これからも色んなコンテンツ、見届けさせていただきます。この目で…
あーーーーライブ行きたかったな〜(はずれた)
いろいろと文句も言いましたが、大満足な映画だったと思います。
この映画から続くお話は、由紀と立夏の話になりますし、由紀のことはまだまだ謎が多い男だなと思っているので、非常に楽しみにしています。
今後も原作だけでなく、色々と展開が続いていくといいな…
以上、劇場版ギヴンの感想(?)でした!